ASTROLOGY Your bridge to the stars Christopher Harwood

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 私達はホロスコープという一つの巨大な車輪を巡っているとも言えます。回転踏み車さながらです。実際には縦横の二次元でなく、三次元空間なわけですが。人が生まれ故郷を離れ異国へと移るにつれ、天空という外側の大車輪も、現地時間に応じて回転して見えるのです。ホロスコープ内の惑星同士のアスペクト(配置関係)は変わりませんが、車輪を回すと上のものが下になる、という具合にホロスコープ全体が回転していくわけです。つまり緯度経度が変わると、それに応じてハウスのカスプが変化します。すると同じ星の影響力が、これまでとは違う感じ方で表れるでしょう。アングル付近に回転移動した星は、よりパワフルに感じられると思います。

Re-location

 場所を変わっても、宇宙の時間は変わらない。黄道上の惑星同士の位置関係も変わらない。しかし経度が変わるにつれ、現地時間は変わる。経度15度動くごとに、1時間ずつ変わります。東に移動するとプラス1時間、西へはマイナス1時間。そしてこれによって、黄道12宮という大車輪の回転具合が決定づけられるわけです。さらに明細に及ぶと、MC, IC (南中点、天底)の縦軸は、経度と現地時間にのみよって変わりますが、アセンダント・デイセンダント(東の地平線、西の地平線)の横軸、及びハウスのカスプは、緯度によっても変化します。北極南極付近では夜空の星が広く見渡せるが、赤道付近では視界が狭まるのと同じ理屈です。

 さらに興味深いことに、たとえ場所を変えることで、天空の大車輪が回転しても私達は、生まれた瞬間その大地にプリントされた、サイキの内車輪とも言える”ネータル・ホロスコープ“の中を、なおかつ回り続けるのです。以前はローカル・スペースの影響力はグローバルなものではなく、ごく地域的なものと考えられていました。しかし現在では、その影響は1000マイル(約1600キロ)以上に及ぶと言われます。さらに生まれた瞬間その土地にプリントされたホロスコープから、放射線状に伸びる各惑星の影響力は、単なる心理学の概念的な世界観だけではない、と言えるでしょう。いわば私達は3つの異なるホロスコープの影響を受けていることになります。まず”ネイタル・チャート“ローカル・スペース・チャート”そして”リロケーション・チャート“の以上3つ。リロケーション・チャートでアングル付近にやってきた惑星は、人生を変容させるような強い影響力を持つと考えられます。アストロ・カルト・グラフィーでも同じことが言えます。ケネデイー大統領は1963年、彼のアストロ・カルト・グラフィー上、冥王星ラインが走るダラスの土地で、宿命的な最期をとげました。同様のことが、ローカル・スペース・アストロロジーで、生まれた地点から放射線状に伸びる、各惑星の延長線上でも言えます。ある惑星の延長線上に引っ越すことで、その惑星が主役級の力を発揮し始めるのです。引越しでなく、旅行で訪れるだけでその影響力を感じる人もいるでしょう。

Jupiter's magnetosphere

 惑星の影響力は多くの本にも書かれているように、実験で示すことができます。しかしここで、近代アストロロジーが避けてきた問題があります。実際さまざまなテクニックを使って、天体から発せられる波紋、情報を感知できるのです。こういったテクニックは、固定観念を変える力を持っています。占星学とは心理学やシンボリズムの領域だけにとどまるものではない。心理的な説明をするためだけ、または予言の道具だけではない。タロット・カードやルーンの石と同じものという説には賛同できません。現在アカデミックな分野に進出した占星学は、世間の懐疑的な目にさらされ、その吹けば飛ぶような立場を維持すべく孤軍奮闘しています。なんとか成功させたいと願うのは誰しも同じ。しかしそこに確固とした土台が見られないのです。星のお告げなどとうっかり口にして非難の矢おもてに立つぐらいなら、心理学または予言というお題目の傘の下にいた方が多少なりとも居心地よいかもしれません。私は、アストロジャーが科学的、基礎的な事実に目を向けないことに問題があると考えます。ごく最近まではこういった科学的根拠が占星学の基本でもあったわけです。

Mercury's magnetosphere

 サテライトナビゲーションが発達する以前の航海技術は、天体にナビゲートされていました。ここには占星学と相通じるものがあります。ともに天文学のデータを元に目に見える天体の配置から、現在地点を計算によって割り出していたのです。

これを書くにあたって。パーシー・シーモア博士の説と、私の取り上げるテーマが図らずも似通って、どうしたものかとためらいました。しかしこの原稿は、純粋に私自身の洞察、つまり占星学と航海士としての体験に基づくものであるという結論に至りました。そして私はシーモア博士の考えに自分と相通じるものを覚えます。最後に。独自にリサーチを続ける人が、私と似通った仮説に行き当たったら、そこにはさらなる探求に値する何かがあると私は思います。

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